神社本庁
自然、それは神―神道からのメッセージ
人々の意識
近年、環境問題への対策は、地球温暖化やオゾン層破壊、資源枯渇や大量廃棄といった地球規模化した問題も含め、自然保護・汚染防止・アメニティ保全などのさまざまな分野で、その必要性が提唱されています。そして、限りある資源の効率的な利用を追求し、自然環境への影響をできるだけ抑えた経済社会をいかに構築するかが課題となっています。
国内では、環境政策の基礎となる「環境基本法」が平成5年(西暦1993年)に制定されて以降、その後の法整備や企業努力などもあって、経済開発や科学技術の面では、着実に前進していると言えるでしょう。また、誰しもが環境に配慮した生活基盤を早急に確立しなければならないことも充分に認識しているはずです。あとは、便利で豊かな暮らしに流されることなく、環境問題に対する危機意識を高め、個々人が具体的に行動する、実践する場をいかに持つかということになりましょう。
人類は愚かなもので、本当の不幸にみまわれないと気付かないといった終末的な意見や、科学技術の進歩はめざましく後世には解決されているかもしれないといった楽観的な意見も聞かれます。しかし、今を生きる私たちには、祖先より受け継いだものを次代に伝えつぐ義務があります。現状の中で最善を尽くす。私たちに課せられた当然のつとめでありましょう。