神社本庁
神道
信仰の内実
信仰の内実、一般の日本人は、神を守護者として懼れ、畏(かしこ)むと共に敬い親しむ心があり、ひたすら災いを除き幸せを与えて下さる事を願っているが、神話に基づく正当な信仰では、人(霊物)は神の生みの子であり、従って天照大神の御孫、その子孫である天皇のこの国を確固たるものとし、豊かで倫理の正しく守られる国にするという使命をお助けする為に、自分の能力を最大限に発揮し、その職分に全力を尽すのが、生きていることの意味と価値とを成就する道であると考えられている。従って生きる事は働く事であり、元来働く事は喜びであった。これが神道流の職業倫理・人生哲学だと言っても良い。直接の命は両親から与えられたものに他ならないが、命の根元は神に発しているとの信仰に基づいているからである。しかも神道にはこの世の終りを強調し、神による魂の救済を求める神学も、人間の煩悩が原因で、希望も救いもない世の中がやって来るという終末信仰もない。むしろ神の言葉に従ってこの世に於ける人間の努力が続けられる限り、時に盛衰があるとしても、人間の世界はより豊かで向上したものに成長して行くと信じられている。しかしユートピアの発想は無い。