- 神社本庁の代表役員総長の地位が争われ、総長選任方法を定める庁規12条2項の趣旨が争点となった訴訟について、本年(令和6年)10月2日付けで最高裁判所は芦原理事の上告を棄却し、神社本庁の勝訴が確定しました。これにより、総長選任方法を定める庁規12条2項の趣旨は「役員会が総長を実質的に決定する」「統理の指名という行為も、実質的には役員会の判断で行われる」というものであるとの司法判断が確定したことになります。
- 令和4年6月23日に役員会の多数が田中総長の再任に賛成して議決が為されて以降、鷹司統理にはこれに基づいて田中総長を指名されるよう求めてきましたが、係争中であること等を理由として指名は為されていませんでした。
- 本年10月2日の最高裁決定後も、一部の神社本庁関係者により、確定判決の趣旨は役員会の議決通りの指名が必要というものではない、統理の指名権は否定されていないなどという主張が為されて混乱が継続していましたが、鷹司統理に対しては、庁規12条2項に関する司法判断の内容からすれば役員会の議決の通りに指名いただく必要があることをご説明しておりました。
- このような状況の中で、令和6年12月12日、鷹司統理は、田中総長を指名され、同日をもって、正式に田中恆清総長が就任しました。
- また、同日、鷹司統理の指名により、吉川通泰副総長が就任しました。
- これにより、統理の指名に基づく正式な総長及び副総長の不在という異常な状態が解消したことになります。
- なお、合理性を欠いた庁規解釈に基づく根拠のない代表役員変更登記申請が神社本庁担当部署に伝えられることなく行われ、神社本庁の事務には多大な混乱が生じることとなりました。庁規解釈について議論が継続している中で強引に現状変更を試みるというのは、極めて不適切な行為であったと言わざるを得ません。その責任は重大であるとして、令和6年12月12日の神社本庁役員会において、登記申請を行った芦原髙穂理事及びそれに協力した西高辻信良理事(本庁の正式な手続によらずに役員会及び評議員会議事録を作成)に対して、問責決議が議決されました。
- 本件に関する法的責任やその他関係者の責任については、今後さらに検討いたします。