神社本庁の代表役員について(東京地裁判決)

令和4年12月27日

本庁理事の芦原髙穂氏により、自らが代表役員総長の地位にあることの確認を求める訴訟が提起されていましたが、東京地方裁判所は12月22日付で請求を棄却し、芦原氏は神社本庁の代表役員の地位にないとの判決を言い渡しました。

本判決では、代表役員総長選任の根拠となる庁規12条2項「総長は、役員会の議を経て、理事のうちから統理が指名する」の趣旨について、神社本庁の主張を認め、「総長の選任に関し、役員会が議決により次期総長を決定し、それに基づいて統理が当該次期総長を指名することが必要である旨を定めている」と判示しています。

代表役員総長の選任に際して、役員会の判断(議決)と統理の指名のいずれが実質的な決定権を有するかという点が争点となっていましたが、本判決では、

と明確に判断されました。

本判決の判断によれば、本年6月23日開催の役員会において、田中理事を総長に選任すると判断(議決)されている以上、実質的に総長は田中理事に決定されており、その役員会の判断に基づいて統理による指名がなされるべきであるにもかかわらず、指名が為されていない状態にあることとなります。

 

本判決により、芦原理事によって本庁内部の正式な手続を経ずに行われた代表役員変更登記申請に端を発した、総長選任をめぐる一連の混乱状況も、収束に向かい大きく前進するものと考えられます。